■怨霊悪鬼に死者をさせない真言宗の葬儀要式■死者の罪障を僧が背負い消滅【破地獄】四乃四四
2009年 11月 13日
↑↑↑↑↑↑
真言宗が葬儀で使う破地獄曼荼羅。
これにより亡者は『逢魔が刻』に彷徨うことはない。
これを遣えるのは真言宗に出家し得度と受戒を受け修業をし四度加行にて伝法灌頂を授かり僧籍となった者だけである。
故に他宗では使えない。真似ても三密(身密・口密・意密) の極意を知らないため何の効果も無い。
ここで誦える真言も正確に載っているブログ・HP・出版物は存在しない。
法術を使う我真言宗では葬儀の際にも独特な方法を行う。
一般的な仏教に無い破地獄曼荼羅である。
破地獄曼荼羅とは、葬式の際に亡者の罪障消滅のため光明真言破地獄曼荼羅を書き捧げることであり、その罪障は余り他言されていないが僧侶が被ることとなる。
ここで言う僧侶とは一般的仏教派で言う僧正のことであり、真言宗では阿闍梨(あじゃり)と呼ぶ。
阿闍梨は真言宗の特に厳しく脱落者が絶えない修業を終えて免状が貰え、戸籍上僧籍となった者である。
我、真言宗では魔障にも慈悲を与え其の犯したる罪障を僧侶が背負う。
そのことで一般的仏教葬儀と違い死者が『逢魔が刻』に彷徨い障りをなすことは無い。
一般的仏教の経は抑えるだけである。
真言宗は他宗と違い、因縁に左右される五蘊(色(形)・受(情け)・想(思い)・行(行い)・識(考え))を棄て、六情(喜・怒・哀・楽・愛・悪)を棄て、七情(怒・喜・思・憂・悲・恐・驚)を棄て一切の有漏(煩悩を有する)に摧かれぬ荼吉悉那(心身堅固)を持つ。
退魔専門の真言密教僧殊慧もまた荼吉悉那にて『退魔』を受けた場合は魔障、悪鬼、魍魎の罪を背負い己の本尊にて浄潔する。
退魔の儀は長いときであれば3日睡眠摂らず、厠にも行かず護摩焚きや退魔の行を誦み続ける。
金に圜礙(こだわり)持たず。
有漏に呆ける意を持たず。
自尊に奢る漫を持たず。
如何なるものにも靡かず。
by 殊慧